心房細動マネージメント
現在、不整脈のカテーテル治療は日進月歩で進歩しており、様々な不整脈に対するカテーテルアブレーション治療が行われています。当院は不整脈専門施設であり、2名の不整脈専門医を中心に、最新鋭の治療機器最新鋭の治療機器(3種類の3Dマッピング機器、3種類の高周波アブレーション治療機器、2種類の冷凍バルーン治療機器 etc.)を揃え治療を行っております。
現在年間600例を超えるカテーテルアブレーション治療を行っており、現在まで通算で5000例を超える治療実績があります。当院の特色としては、高周波カテーテルアブレーション治療に特に力を入れており、他院での不成功例や、術後再発例、開心術後の複雑な頻拍、心室頻拍などにも積極的に治療を行っており良好な成績を得ております。また、冷凍バルーンアブレーション(クライオアブレーション)も数多く施行しており、症例によって使い分けております。
今日の高齢化社会において心房細動を患う患者さんが爆発的に増加しています。心房細動は動悸症状をはじめ、心不全、心原性塞栓症を併発するおそれがあり、健康寿命を維持するためには適切な治療が必要となります。当院では薬物療法に加え、根治療法であるカテーテルアブレーション、経皮的左心耳閉鎖術を積極的に行っており、患者さんの状態により治療法を選択することができます。
当院のカテーテルアブレーション治療の約80%が心房細動に対する治療です。
心房細動に対するカテーテルアブレーション治療では、現在日進月歩で新しいテクノロジー(パルスフィールドアブレーションetc.)が生まれており、当院では積極的に最新の治療法を取り入れております。基本となる肺静脈隔離術に対しては、現在症例に応じて高周波アブレーション、または冷凍バルーンアブレーションを行い、また心臓自律神経節アブレーション、心房細動基質に対するアブレーションなどを追加することにより、さらなる治療成績の向上を目指しております。通常は2泊3日の入院で治療を受けていただけます。
心原性脳梗塞は日本人の死因の第4位であり、心房細動による心原性脳梗塞は全脳梗塞の約1/3を占めています。脳梗塞予防のため抗凝固療法(ワーファリン、DOAC)を行う場合、出血性合併症のリスクが増大します。抗凝固療法を中止したいが脳梗塞の回避のため抗凝固療法を中止できない患者さんに経皮的左心耳閉鎖術をご提案しています。
心房細動に伴う脳梗塞の90%は左心耳内の血栓が原因と報告されており、左心耳を塞ぐことで、心房細動で起こり得る脳梗塞の90%を防ぐとともに、抗凝固療法の中止によって出血性合併症も減らすことができます。また、抗凝固療法を行っていても脳梗塞を起こしてしまった患者さんにもよい適応となることがあります。大腿静脈からシースを挿入し経皮的に左心耳閉鎖デバイスを留置する方法で、全身麻酔下に1時間程度のカテーテル術になります。2泊3日の入院期間です。