心臓血管外科
虚血性心疾患チーム
高度なカテーテル技術で
重症虚血疾患や心不全などに
幅広く対応します

 虚血性心疾患に対するカテーテル治療に関しては開院 後10000例以上の治療を施行しており(約30%が緊急症 例になります)、経験豊富な循環器専門医が患者様の病 状や生活環境、お気持ちに合わせてどんな治療がベスト なのかを十分考慮した上で、お1人おひとりに合わせた” オーダーメイド医療”を提供すべく尽力しております。


1 .重症難治症例に対する高度なカテーテル技術を提供

 慢性完全閉塞病変や高度石灰化病変など他院で治療困難であった複雑症例の診療実績も多数あり、またプロクター シップとして他院の循環器内科医師への技術指導も積極的に行なっております。

 多くの症例では橈骨動脈からカテーテルを挿入して治療を行ない、1泊2日という短期間の入院で治療可能です (緊急手術の患者様、腎機能の低下した患者様では状態に合わせた入院期間を考慮します)。

 近年は左室補助デバイス(Impella)を併用した低心機能の重症虚血性心疾患に対するカテーテル治療にも積極的取 り組み良好な臨床経過を得ております。急性期の安全かつ迅速な診療だけでなく慢性期まで見据えた診療を心がけ、 薬物治療・運動療法なども取り組んでおります。

2.心不全治療における病診連携の重要性

 心不全患者数は年々増加し『心不全パンデミック』と言われる時代になっております。心不全は治癒することなく生涯通じて継続治療が必要な疾患です。

 心不全再増悪による再入院率は全国平均25%前後で改善することなく推移しております。

 心不全の再発・重症化を予防することを目標として医学的評価に基づいた運動処方・運動療法、生活指導・服薬指導などの患者教育、カウンセリングなど長期にわたる総合的活動プログラムである心臓リハビリテーションを入院中だけでなく外来まで継続して取り組むことが推奨されています。実際に外来心臓リハビリテーションにより総死亡を33%・心不全増悪による再入院を18%減少させるなど予後改善効果が非常に高いことが報告されておりますが、日本での心不全患者における外来心臓リハビリテーション施行率は7%程度と十分ではありません。

 当院の循環器救急疾患の診療実績の中で、年間約500-600例の心不全入院診療に対応しております。当院では2013年より心臓リハビリテーションを開始し2014年からは入院患者の20-30%程度の患者に外来心臓リハビリテーションを行っております。当院では投薬などの診療はかかりつけ医にお願いしながら心不全疾病管理は外来心臓リハビリテーションで行うという形で病診連携をとりながら継続した疾病管理を行うことにより再入院率も10%未満となり臨床効果を実感しております。

 2023年からはリハビリテーション施設を1階に拡充し、より多くの患者様にご利用していただけるように整備しました。

 また、当院では病診連携の一環として2018年より訪問看護・ケアマネジャーなど対象に実地臨床に即した心不全診療勉強会を行い連携を深め高齢心不全患者の再発予防・末期心不全患者の自宅での加療・看取りを行っており、地域連携も重要と考えており地域の方々との勉強会も積極的に開催し連携強化に取り組んでおります。