心臓血管外科
大動脈チーム
末梢動脈・静脈疾患の手術適応
下肢静脈瘤

下肢静脈瘤の治療として、日常生活の改善(長時間の立位や座位を避ける、足を上げて休憩する、マッサージを行うなど)や弾性ストッキング着用があります。

硬化療法は、薬剤を静脈瘤内に注入し、静脈を閉塞させる(ふさぐ)方法で細い静脈瘤に対して行います。太い静脈は、レーザーで治療します。

患者さんの症状や状態、こ本人の希望も考慮に入れて各々の治療法を組み合わせて適切に行っています。

下肢血行障害

現在は、その原因に関係なく、国際的に「末梢動脈疾患(PAD)」とされています。大半は動脈硬化が原因です。

診断は、足関節血圧の測定、超音波検査、CTなどを用いています。治療は動脈硬化を引き起こす要因となる喫煙、高血圧、高脂血症、糖尿病の治療を行います。その上で、運動療法や薬物療法、血管内治療(バルーン拡張/ステント留謳)、バイパス手術などがあります。



腹部大動脈瘤

腹部大動脈瘤の治療法として、腹部を切り開いて動脈瘤を確認し、その代わりに人工血管を縫い付けて埋め込む手術(人工血管置換術)を行うのが一般的です。しかし患者さんへの負担が大きく、ご高齢な方や他に病気のある方では、手術できないことがあります。


ステントグラフトは,人工血管にステントといわれるバネ状の金属を取り付けた新型の人工血管で、細いカテーテルの中に収納して使用します。


脚の付け根を45cm切開して動脈内にこのカテーテルを挿入し、動脈瘤のある部位まで運んだところで収納したステントグラフトを放出します。腹部を切開する必要はありませんので、体への負担が減少されご高齢な方や他に病気のある方でも安全に行うことができます。ステントグラフトは、金属バネの力と血圧により広がって血管内壁に張り付けられるので、外科手術のように直接縫いつけなくても自然に固定されます。


腹部大動脈瘤は切除されませんが、ステントグラフトの外側の血流はなくなるため、次第に小さくなる傾向がみられます。また、たとえ瘤が縮小しなくても、拡大が防止されるので破裂の危険性がなくなります。